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遺品整理業者に現金をネコババされるのは必要悪?メモリアルが考える「貴重品」とは。

以前メモリアルに叔母様のお宅の遺品整理をご依頼してくださった方が、会話の中でこのような事をおっしゃっていました。

「金品を持っていかれるのはしょうがないと思っている」

これを聞いたとき、悲しい気持ちになりました。

「大変な作業をしてもらっているから」

「本当に大切なものは事前に取っておくから」

「必要悪だと思う」

ご依頼者様としては、「金品の持ち帰りは無いに越したことはないが、大変な作業を頼む代わりに多少の事には目をつむる覚悟でいる。」そのようなお気持ちを伺った時、遺品整理業者として、悲しいような、情けないような気持ちになりました。確かに、遺品整理の現場から現金や貴重品が見つかったとき、ご依頼者様に返さずにネコババしてしまう悪徳な業者がいるのが悲しい現実です。先日も、遺品整理業者が遺品整理の現場から740万円を窃盗したというニュースがあったばかりです。

そしてよく知人に聞かれるのが、「遺品整理業者って儲かるんでしょ?」という質問。「だって、お金出てきたらラッキーじゃん」と。遺品整理業者でない一般の方もこう考えているのです。

メモリアルでは、作業中に現金を発見したらスタッフ同士「現金を発見しました」と声を掛け合うルールになっています。1円でも見つけたら必ずお返ししています。

人の物を勝手に持ち帰るのは窃盗です。人の物を盗むなど、あってはならない行為です。現金や貴重品が見つかったら、お返しするのは普通のことです。それが遺品整理業界の当たり前のルールとして浸透させるために、メモリアルは金品の持ち帰りには「NO!」を声を大にして訴え続けます。

ご遺族様が事前に現金がありそうな場所を見ておくのにも限界があります。実際、発見した現金をお返しすると「全部見たハズなのに!どこにあったんですか??」とよく驚かれることがあります。

重なったコップの中、米びつの底、植木鉢の下等々、意外なところに故人様が隠しておくことがあります。メモリアルはひとつひとつ丁寧に仕分けをし、封筒の中身も全て確認し、現金を見落とすことがないよう細心の注意を払っています。少しでも現金をお返しできれば、作業費用も軽減することが出来ます。

封筒もひとつひとつ中身を確認

封筒の中身もしっかり確認します

お返しするのは現金だけではありません。皆さんは、一般的に「貴重品」と聞くと、何を思い浮かべますか?

現金、アクセサリー、通帳、登記簿…。もちろん大切ですね。

私たちメモリアルはその他にも、「故人様の想い」も貴重品と考えています。

“お客様(ご遺族様)から残してほしいとご要望のなかったもの=お客様が存在を知らなかったもの” があります。

例えば、“孫に渡すために用意しておいたお年玉” “来年の目標を記したメモ” “亡くなられる直前までしたためていた日記帳”などです。これらは、間違って捨てられてしまったらご遺族様のもとに帰ることがありません。故人様の想いを受け継ぎ、ご遺族様へお伝えする。私たちは真心と自覚を持って作業をしています。

故人様がお孫さんのために用意しておいたお年玉

ただの現金ではなく、故人様の想いが詰まったポチ袋

メモリアルが今までに発見しお返ししてきた金品の総額は5,000万円以上になります。これは、メモリアルの現場だけで出てきているのではありません。他の遺品整理の現場でも、日常的に現金は出てきているはずです。それをお返しするか・返さないかで、その現金が無かったことになってしまう可能性があります。

現場で発見した現金 現場で発見した金の延べ棒

作業の請負金額が安いからという理由だけで作業を依頼し、返ってくるはずのものが返ってこない。そんな「安かろう悪かろう」という事態は避けていただきたいです。請負金額の安さだけが全てではありません。「現金・貴重品を返してきている実績がある」「物を雑に扱わない」「話をしっかり聞いてくれる」など、親身になって遺品整理をしてくれる業者を見定めていただきたいと思います。

私たちは今までに多額の現金、たくさんの思い出の品、そして故人様の想いをご依頼者様にお返ししてきました。特に、故人様の想いをご遺族様に返せたときの安堵感、ご遺族様の喜ぶ顔、そういった、形にあらわせないものをお返しできたときは値段が付けられないとても価値のあるものだと思っています。

冒頭のお客様は、メモリアルのことを信頼して遺品整理をお任せしてくださいました。見つけた現金とご要望のお写真をお返しし、空になったお宅を見て、とても喜んでくださいました。この瞬間は何物にも代え難い瞬間です。

故人様の現金や貴重品を盗んで仮に懐が潤ったとしても、心は逆に枯れていきます。真心で遺品と向き合えば到底ネコババなんてできないのです。

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